PMS(月経前症候群)
 
 
月経前緊張症ともいい、月経前、3〜10日の黄体期の間に続く精神的症状、身体的症状で、月経がくると軽減または消失するものをいいます。
 
※精神的症状・・いらいら・怒りっぽくなる・落ち着かない・憂鬱
※身体的症状・・のぼせ・下腹部膨満感・腰痛・頭重感・乳房痛・浮腫・体重増加
 
月経前症候群では、月経困難症に比べて、精神的    症状と乳房痛が多く見られます。
 
 
月経困難症
 
月経困難症は、月経時、あるいはその直前から強い下腹痛や腰痛が始まり、月経期間中に日常生活を営むことが困難な状態をいい、下腹部痛・腰痛の他、頭痛・下痢・発熱・悪心・嘔吐なども伴うことがあります。
 
月経と陰陽の関係
 
陰と陽の関係は、陰陽制約(陰と陽のはバランスをとりながら変化する)陰陽転化(陰が極まると陽になり、陽が極まると陰になる)、陰陽消長(陰と陽の量的な変化)で表され、女性の月経周期も陰陽で表すことができます。
 
低温期
 
月経により血が失われたこの時期は陰(血)が不足します。それに伴って、相対的に気が余るため、精神的には安定し、やる気も出て集中力も増す時期。陰陽のバランスをとるために、適切な飲食によって失われた陰(血)を補い、排卵・黄体期に備える必要があります。
 
血と関係のある臓器は、肝・心・脾 です。
肝・・主蔵血・疏肝 情志特に怒りと関係
心・・主血脈・神志を司る
脾・・統血・運化 
 
排卵期
 
陰陽の転化ポイントです。陰がどんどん成長し、陽に転化するときが丁度排卵の時期となります。
上手く転化させるためには、押し出す力=気を流すことが大切です。
 
 
高温期
 
相対的に陰(血)が満たされるため、陽(気)が不足する時期で、黄体ホルモンが分泌される時期でもあります。
黄体ホルモンは、体温を上げて水をひっぱる性質があるため、この時期にむくみを感じる方も多くなります。
気が不足するために、やる気が無い・だるい・眠たい・などの精神症状や、むくみ等を感じる時期でもあります。
 
この時期は、情緒と関連が深い臓、心・肝を養うことが大切です。
気の流れは、腎・肺と密接に関係しています。
 
月経前症候群は、この時期の不快な症状をいい、飲食との関連が深いとされています。
 
また、この時期には、熱と湿が体内で生まれやすく、「湿熱」の病態が出やすくなります。
 
主な湿熱の症状
 
●頭が重い。●口が粘る・口が苦い●脘腹部痞悶●悪心嘔吐●皮膚が黄色っぽい●帯下が黄色く臭い●浮腫 
 
 
月経期
 
陽(気)が満たされるため、陰に転化して陰のピークを迎えるのが月経の始まりです。
陰血を排出させるため、ここでも積極的に気を流す必要があります。
 
月経開始初期には、陰血がピークになっており、瘀血との関係が深く、月経終わり頃には、陰血と同時に気も排泄され、気血両虚に関係する症状が現れやすくなります。
 
 
月経痛
 
月経期あるいはその前後に、周期的に下腹部に痛みがあり、重症では耐えられないほどの激痛が生じる。ほとんどが若い女性に多い。
 
月経痛を引き起こす原因は、大きく6つのタイプに分けられます。
 
  月経症状 全身症状        
気滞血瘀証 下腹部脹痛 月経後期  月経の色が紫暗で血塊混じる 胸脇や乳房の脹痛 イライラする
舌紫暗 瘀斑
気滞の症状が多くて月経周期に関連してひどくなる
 
寒凝胞宮証 下腹部冷痛 温めると痛みが軽減 冷え 月経後期
量が少ない 色が暗く血塊が混じる
寒がり 四肢の冷え
                                                                                                 
胞宮虚寒証(腎陽虚証) 周期的に下腹部冷痛 温めると痛みhが軽減 月経後期で量が少ない
色が淡暗 帯下が多く透明で生臭い        
腰膝酸       冷え
頻尿 夜尿
脈沈
湿熱薀結証 下腹部灼熱感 月経先期 色が紅で粘稠 帯下が黄色く粘稠
 
微熱 尿が濃い
苔黄膩
                                                                                                        
気虚虚弱証 月経中あるは月経後の腹痛
しくしく痛む 抑えると軽減
全身倦怠感
頭暈
心悸 舌淡 脈細
肝腎虚損証 月経中あるいは月経後の腹痛しくしく痛む 月経後期
月経の量が少ない 色淡暗
腰膝酸軟 頭暈
 

 

気滞血瘀証

病因:ストレスによって肝の疏泄機能が低下し、気滞血瘀が起こり血が胞宮に滞って血脈が通じなくなって痛みが起こるもの

症状:月経前あるいは月経中に下腹部が周期的に痛み、気滞が酷ければはっている痛み、瘀血が酷ければ刺すような痛みとなる。

   月経血は紫暗色で血塊が混ざる 胸や脇・乳房の脹痛 舌紫暗 瘀斑

 

方剤:血府逐瘀湯

 

寒凝胞宮証

病因:月経期に雨に濡れたり、月経前に冷たいものを過食、あるいは寒冷の環境にさらされた場合に、寒湿の邪気が胞宮に侵入して、血脈を凝滞させ、月経痛が起こる

 

症状:月経前や月経期に周期的に冷痛がある 温めると痛みが軽減する 月経後期 月経量が少ない 月経血の色が暗い 月経血に血が混じる 帯下が多い 寒がり 四肢の冷え 苔白膩

 

方剤:呉茱萸湯 少腹逐瘀湯

 

胞宮虚寒証

病因:先天不足 腎陽虚損で胞宮が温められないために月経痛が起きる

症状:月経痛が月経期あるいは月経後に発生 温めると痛みが軽減する 月経後期 量が少ない 色が薄く暗い 帯下が生臭い 黄体機能不全 冷え 低体温 腰膝酸痛 頻尿 夜尿 脈沈弱

 

方剤:温経湯(傷寒論)

 

湿熱薀結証

病因:ストレスで肝の疏泄機能が低下し、脾虚となって脾の運化機能も低下するためにい湿邪が少じ化熱したもの。
あるいは、香辛料などの温燥性の飲食や附子などの薬物を過剰摂取し、湿熱が体内で生まれてて胞宮に薀結し、気血の運行が阻まれたために月経痛となったもの。
 
症状:月経前・月経期に月経痛が起こる 灼熱感 月経先期または経期延長 色が紅で粘稠 帯下が粘稠で黄色い 微熱 胸悶 尿が濃い舌紅 苔黄膩 
 
方剤:加味逍遙散加薏苡仁・敗醤草 清熱調血湯
 
気血虚弱証
 
病因:虚弱体質または長患いで気血が損傷し、衝任脈や胞宮を栄養できないために月経痛が起こる(不栄即痛)
 
 
症状:月経痛が月経期または月経後 しくしく痛む 抑えると軽減 月経血の色は薄い 疲れやすい
 皮膚や顔に艶がない 舌淡
 
 
方剤:十全大補湯+帰脾湯
 
 
肝腎虚損証
 
病因:先天不足や性生活の不摂生・多産などで腎精が不足しているところに、月経後に血海が空虚になり胞宮が栄養されずに月経痛となるもの。
 
症状:月経期または月経後に下腹部がしくしくと痛む 月経後期 月経量が少ない 月経血の色が淡暗 腰膝酸軟 眩暈 耳鳴
 
方剤:六味地黄+当帰・芍薬 (帰芍地黄湯)
 
月経前症候群を悪化させる、不適切な生活習慣
 
ストレス・夜更かし・過食が月経前症候群の症状を悪化させます。
 
過食は、脾を傷つけ、脾の運化機能・統血(血を血脈にとどめる働き)を低下させます。ストレスは、肝の疏肝作用を低下させ、気滞や血滞を生み出します。
夜更かしも同様に、血の循環(心の働き)に影響します。
 
また、心・肝は、情緒や精神活動とも深く関係するため、これらの機能低下は、精神症状につながります。
 
特に、甘い物・炭水化物・アルコール・揚げ物などの摂り過ぎで「瘀血」「血熱」「裏熱」の状態になることが、月経前症候群を悪化させる原因とされています。また、気も滞り、「気滞」「気逆」となります。
 
せんべい・あられ、ポテトチップスなどは甘くはなくても炭水化物と脂質の塊ですので注意しましょう。
 
また、飴を頻繁になめることは、せっせと熱を生み出しているようなもの。のど飴でも同じです。
すぐに止めましょう。
 
卵胞期に過剰な食事で陰血を過剰に作り過ぎた場合、バランスととるために気も過剰に必要となり、カラダはより甘い物・炭水化物などを欲するようになります
 
中医学的には、これが、黄体期に過食に走る一因です。
 
黄体ホルモンの影響で、カラダは溜め込む方向に向かう黄体期には、過剰に摂取した炭水化物や甘いものがカラダに溜まりやすく、更に血熱や裏熱を生むことになります。裏熱は、月経の量や期間にも影響し、過食の女性は、月経過多(月経血の量が多い)や月経先期(月経が早く始まる)、また月経過多に伴う貧血の傾向が見られます。
また、裏熱が更に盛んとなり、陰血を消耗してしまうと無月経となってしまいます。
 
月経前症候群を軽減するためには、精神的に安定している卵胞期の、過飲・過食を止め、生活リズムを整えることがまず第一です。
 
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