月経は、臓腑・経絡が協調し、血が衝任脈を通じて胞宮(子宮)に下ること起こります。
「心は血脈を主る・肝は血を蔵す・脾は統血す・脾胃は生血の源・腎は精を蔵し血を生ず」 として、五臓は血の生成・運行に関係しており、いずれかの臓腑・経絡に異常があれば、月経にも異常が現れます。
 
生理不順とは、月経周期・持続日数・経血量が正常範囲からはずれている場合をさし、月経痛・経血の質の異常も含まれます。

 

月経周期と持続期間、経血の量・色・性状には相関性があり、病態によって相対的に変化が見られます。
 
 
 
月経過少
 
月経の持続日数は正常(3〜5日)であるが、月経血の量が異常に少ない、あるいは月経の持続日数が少ないために総量が少なくなるもの。通常は、経期の短縮も見られ、2日以内に終わる場合もある
 
 
  月経血量 月経期間
正常の月経 20〜140ml
生理用品を1日に4〜5回替える
3〜5日
月経過少 明らか減少 2日未満

 

鑑別

月経過少となる原因は大きく次の5つに分けられ、それぞれ違った月経症状と全身症状がみられます。

 

病因 鑑別(月経症状) 鑑別(全身症状)
血虚 非常に少ない
月経後期(月経の期間が長い)
色が薄い
腹痛がある場合には月経後に痛くなる
頭暈
目がかすむ
心悸 不眠 健忘
皮膚乾燥 皮膚のツヤがない
腎気虚(肝腎虚) 月経先期または後期
月経血が薄くて黒っぽい
生理中または生理後に腹痛がある
腰膝酸難
頻尿・夜尿
脈沈細
目の乾燥
爪は薄くて変形
手足のしびれ
寒凝 月経痛があり温めると軽減する
(カイロなどを使うと楽になる)
 
寒がり 四肢の冷え
舌淡で暗
痰湿 痰のような粘稠性のある織物
帯下の量が多い
肥満傾向 頭暈 頭重
体が重怠い
舌苔が白膩
血瘀 月経血が紫暗っぽい
粘稠で血塊が混じる(比較的大きな塊)
月経痛(月経前に起こる)
下腹部のはり 痛み
舌が暗くて瘀斑がある
長引くと鱗のような肌となる
 

 

 
血虚タイプ
慢性病、出血、多産などによる血の消耗、脾虚による生血不足等により陰血が不足して胞宮に注がないために月経が過少になるもの。血虚が悪化すると、無月経になることがあるため早期の治療が必要
【症状】
経血は淡色・月経周期は延長傾向にある・月経期または月経終了後に下腹部の鈍痛がある
顔色や皮膚に艶がない・爪がもろい・頭のふらつき・目のかすみ・目の疲れ・目の異物感・動悸・物忘れ・舌質は淡・脈細
 
方剤:帰脾湯 十全大補湯 人参養栄湯 芎帰膠艾湯  人参湯+四物湯
 
腎気虚タイプ
多産、性生活の不節制、頻回の人工中絶、慢性病、先天的虚弱などで腎精が不足し、精が血を生じないために陰血が胞宮に注がず、月経過少になるもの。婦人科での肝腎不足の多くは腎気虚であり、肝血不足の症状を伴うことがあります。
 
【症状】
経血量はごくわずか・経血が淡紅または暗紅で稀薄・月経周期は一定しない・月経終了後に下腹部や腰の鈍痛
顔色はどす黒い・めまい・耳鳴り・腰がだるく無力・夜間頻尿・性欲減退・舌質淡・脈無力
 
 
方剤:左帰丸 右帰丸 亀鹿二仙膠 
 
寒凝(血寒)タイプ
月経時、出産時に冷える・冷たいものの摂り過ぎ、風邪をひく、寒涼性の薬物の取りすぎなどの寒冷にさらされたことが原因で、寒邪が衝任脈に侵入して血を凝滞させ、血が胞宮に注がずに月経過少を引き起こすもの。
 
【症状】
月経血は少量・暗紅色・血の塊が混じる・強い月経痛・月経周期は延長
下腹部の冷え・顔色が青っぽい・舌苔は水っぽい・脈は沈有力
 
方剤:当帰四逆湯 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 五積散 温経湯(婦人良方大全)
 
痰湿タイプ
多食、食生活の不摂生、アルコールなどで脾胃が障害されて、脾の蘊か機能が低下して、痰湿が生じ、下注した痰湿が衝任脈で血の下行を阻害したため月経が過少になるもの。不妊症の人も多い。
【症状】
経血量が少なく、経血は淡色で粘稠・月経周期は延長傾向・普段から帯下が多い
肥満気味・身体がだるい・むくみ・胸や腹がはる・吐き気・口の粘り・白くべったりとした舌苔
 
方剤:二陳湯 平胃散 六君子湯 茯苓飲
 
血瘀タイプ
肝気鬱滞、痰湿、寒凝などによる阻滞、気虚、陽虚に伴う推動無力、血虚、陰虚、腎虚による精血不足、ストレスによる気滞等の多くの原因で、血行が阻滞されたり渋滞して血瘀が生じ、血が胞宮に注げないために月経過少を引き起こしたもの。
 
 
【症状】
経血量が少なく、経血の排泄が悪い・色は暗紫色で塊が混じる・刺すような月経痛・周期は延長傾向・舌は暗紫・瘀斑
 
 
方剤:血府逐瘀湯 少腹逐瘀湯 
   桃紅四物湯 桂枝茯苓丸 通導散 
   桃核承気湯 四物湯+桂枝茯苓丸

 

 
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