日々の食事で五味を感じる!
2016年03月29日 19:31
日本食と五味
薬膳を考える上で、五味「酸・苦・甘・辛・鹹」はとても大切。
五味は、肝は酸味・心は苦味・脾胃は甘味・肺は辛味・腎は鹹味(塩)ととても深い関係があり、五味の調和がとれた食事をすることは、臓腑の調和をとることに繋がります。
寒くなるこれからの時期、冬と関連があるのは、五臓の中で 「腎」
腎は、生命活動の源であり、他の五臓がスムーズに働くためには腎が健全に働く必要があります。
生殖能力を司り、活動の源である「気」を生み出し、水分代謝をコントロールしています。
中医学では、高齢になると増える、泌尿器系のトラブルや足腰の弱り・白髪・耳が聞こえにくくなるといった老化に伴う症状も、腎の働きが弱まることで起こると考えます。
この腎を補う五味は「鹹味(塩味)」です。味噌、醤油、塩、海藻類、じゃこ、などの鹹味のものや色が黒い食材は腎を補う働きがあるとされています。
特に冬には、「黒い食材」「鹹味の食材」を意識して摂りましょう。
また、日本食はすし飯や酢のものの「酢」・煮物に砂糖の「甘」・お味噌汁やのり・醤油の「鹹」・わさびやしょうがを薬味に使って「辛」・最後に緑茶の「苦」と、日々3食、1食1食が自然と五味の調和がとれた食事となっています。
これがファストフードやコンビニ食になると、甘や辛・鹹に偏ってしまいがち。
単調で偏りのある味は、栄養の偏りだけではなく五臓のバランスを崩してしまうことにもなります。
日本人だけではなく世界中で愛される日本食の代名詞、「お寿司」にはこの五味が全て揃っており、ヘルシーなだけではなく、バランスがよく、飽きないことも人気の理由なのでしょう。
日々の食事、食材やカロリーだけではなく、「味」も注目し、体の資本となる五臓を整えていきましょう。