中医学的に病気の原因を考える その③ 「暑邪」
2016年04月03日 07:46
暑は夏を支配する気で、火熱が変化したものです。
暑邪によって惹き起こされる病気には明らかな季節性があり、夏の暑さが盛んとなる夏至から立秋までに見られます。また、外邪(外の環境から受けるもの)のみで内盛(体内に自然に生じる)こともありません。
暑邪の特徴
①暑は、夏の火熱の気が変化したもので、陽邪に属し、暑邪に傷つけられると、壮熱(発熱が著しい)・心煩(心臓がドキドキして落ち着かない)・顔が赤い・波打つような脈などの陽熱の症状が見られます
②暑は昇散する性質があり、気を消耗させて津液を傷つける
人体を襲うと毛穴や汗腺を開かせて汗を出し、汗をかきすぎると体内の津液が不足し、喉が渇いて水を欲しがったり、尿量が少なくなり黄色っぽくなります。また、多量の汗とともに、気も出ていくため気虚になって、息切れ・元気がなくなる・めまいなどの気虚の症状が現れます。
③暑には湿が混じることが多く、夏季は、暑さとともに湿気が多くなり、湿と暑が連合して人体を犯すことが多く、熱症状だけではなく、四肢のむくみ・胸がムカムカする・悪心嘔吐・下痢などの湿の症状も一緒に見られることが多くなります。