中医学的に病気の原因を考える その⑥「火・熱」
2016年04月07日 06:54
火と熱は、どちらも陽が盛んになって発生したものですが同じような性質を持ちますが、違いもあり、熱は温がさらに強くなって生じ、火は熱が極まったものです。また、熱は、外邪(環境要因)であり、火は臓腑の陰陽気血が失調して陽気が盛になりすぎて、体内で内生したものです。
体内に火が内生する原因は、外邪を受けたときだけではなく、喜怒思憂恐の情緒面における刺激が強すぎると火と化すとされています。
火邪の性質
①陽邪で炎上する性質を持つため、高熱・悪熱・喉の渇き・汗が出る・洪脈などの症状が現れます。
また、火と関連が深い心や精神かき乱すため、イライラして落ち着かない・不眠・騒ぐ・挙動不審・意識がぼんやりして意味ふめいのことをわめくなどの精神錯乱状態が見られます。
②火は気を消耗して津を傷つけるため、体内の陰液が少なくなり、喉が渇いて冷たい水を欲したり、喉がイガイガして舌の水分がなくなったり、尿の色が濃くなって尿量が減ったり、便秘になるなどの症状が見られます。
③火が体内を侵襲すると、肝経に入り陰液を消耗させ、筋脈が栄養されずに筋肉の痙攣が起こります。これを「肝風内動」と呼びます。この状態になると高熱が出て意識がぼんやりし、うわ言を言ったり、手足の痙攣、後頸部の硬直などが起こり、「熱極生風」の状態を引き起こします。(熱が極まって
風が起こり、これらの状態を引き起こすと考えます)
また、火熱の邪は血液循環を加速させ、本来の血液循環の経路とは関係なく血液をデタラメに進ませるため、各種の出血を引き起こします。
④火熱の毒邪が盛んになると、腫瘍ができて赤く腫れて盛り上がり、焼けるように痛みます。