内傷七情〜七種類の感情の過剰な刺激が病気を引き起こす〜
2016年04月15日 08:09
中医学では、外感の邪(環境要因などの体の外から邪を体内に受けること)とは区別して、体内に発生する邪を「内傷の病」としています。
内傷の病を引き起こすのは、「七情」と呼ばれる「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」の七種類の感情です。
これらの感情は、生きていれば自然と湧き上がるものであり、それ自体が病気を引き起こすわけではありません。
ただし、これらの感情の刺激が強烈に発生した場合、また長期にわたって起こった場合には、生理的な範囲を超えて臓腑の気機を乱し、臓腑の機能や気血を失調させるため病気が引き起こされます。
これらの感情は臓腑と深い関係を持っており、感情が生理反応を超えて刺激となり臓腑をかき乱した場合、まずは対応する臓腑に影響があわわれます。
また、臓腑の機能や活動は、気が温められて回り、また血が滋養されて行われ、この臓腑が正常に働くことで喜怒悲憂恐などの感情が生み出されるとされています。
例えば、「怒」の感情と対応するのは肝で、ストレスなどにより肝気が乱されると、怒りっぽくなり、それがまた肝に働きかけて肝の機能を乱すことになります。
以下、五臓と感情には次のような関係があります。
心:喜
肝:怒
脾:思
肺:憂・悲
腎:恐・驚