漢方薬Q&A

漢方薬は続けて飲まないと効果がないのですか?

 

そんなことはありません。例えば、風邪に使われる葛根湯や麻黄湯は、発汗作用のある漢方薬ですが、1服、2服でじんわりと汗をかいて症状が軽くなりますし、こむら返りに使われる芍薬甘草湯も、服用後10分程度で効果が出てきます。

 

体質改善を目的とした場合には、もちろん継続することが必要ですが、これも漠然と継続するのではなく、経過を観察しながら薬を少しずつ変えていくのが通常です。

 

日本では、同じ漢方薬を何年も飲んでいる場合もあり、それに伴う副作用も報告されてきていますが、中国では、同じ薬をずっと飲む事はまずありません。

 

なぜなら、薬を服用して体内の気・血・水・臓腑の機能を整えている過程でその人の持つ「証」が変わってくるからです。

 

薬を服用しても、服用開始時と同じ証ということはありえません。(あれば、効果が無いということでその方が問題です)

 

日本の医療機関で出される漢方薬は、病名に対して出されているものが多く、その病名が続く限りは同じ薬が出され、それが副作用の原因になるということが懸念されます。

 

また、薬味(構成生薬)が少ないものの方が、効果に即効性があります。

例:芍薬甘草湯:芍薬・甘草の2味 

  麻黄湯:杏仁・麻黄・桂皮(桂枝)・甘草 の4味

 

体質改善に用いられる薬は、生薬の種類が多く、補薬(気・血・水を補う薬)が含まれることが特徴です。

 

例:帰脾湯:人参 茯苓 竜眼肉 当帰 甘草 大棗 生姜 白朮 酸棗仁 黄耆 遠志 木香 牡丹皮 の13味

 

 

漢方薬は効き目が弱いのですか?

漢方薬に使われる生薬の中には、附子のように非常に毒性の高いもの(もちろん炮製により弱毒化します)もあります。

 

中国の古典「神農本草経」の中では、生薬には上品・中品・下品の3種類に分類しており、西洋薬のように、シャープな効き目を持つものが下品に分類されています。これらは使用上限が設定されているものが多く、基本的に短期間服用することを前提としています。

証がぴったりと合えば、すっきりと効果を発揮する というのが漢方薬の特徴です。

 

 

漢方薬には副作用が無いと聞いたのですが本当ですか?

 

ほとんどの漢方薬は、適切な量を適切な期間服用する限りでは西洋薬に見られるような重篤な副作用はありません。

 

一般的には、滋陰薬は消化不良を起こしやすいため、生姜や大棗といった消化機能を高める生薬を一緒に配合し、胃もたれを防いだり、辛燥性の生薬は、陰を傷つけやすいために滋陰薬と配合するなど、漢方薬自体に副作用を防ぐ工夫がされています。

 

葛根湯や麻黄湯に含まれる麻黄は、エフェドリンが含まれるため興奮作用が強く出ることがあり、夜遅くに飲んだ場合には寝つけないなどの副作用が起こることがありますが、この場合にも、服用のタイミングを変えれば問題ありません。

 

漢方薬で問題となるのは、甘草を含む漢方薬を何種類も併用したり、漠然と服用していて起こる「偽アルドステロン症」です。

 

 

以下 重篤副作用疾患別対応マニュアルより

偽アルドステロン症とは? 

アルドステロンは副腎から分泌され、体内に塩分と水を溜め込み、カリウムの排泄をうながして血圧を上昇させるホルモンです。

このホルモンが過剰に分泌された結果、高血圧、むくみ、カリウム喪失などを起こす病気が「アルドステロン症」と呼ばれています。 

 

「偽アルドステロン 症 」は、血中のアルドステロンが増えていな いのに、「アルドステロン症」の症状を示す病態です。

主な症状とし て、「手足の力が抜けたり弱くなったりする」「血圧が上がる」などが知られています。

これに次いで、「筋肉痛」・「体のだるさ」・「手足 のしびれ」・「こむら返り」・「麻痺」・「頭痛」・「顔や手足のむくみ」

「のどの渇き」、「食欲の低下」、「動悸」、「気分の悪さ」、「吐き気」「嘔吐」などがあります。

症状が進むと、まれに「意識がなくなる」、 「体を動かすと息苦しくなる」、「歩いたり立ったりできなくなる」、 「赤褐色の尿が出る」、「尿がたくさん出たり、出にくくなったりする」「糖尿病が悪くなる」こともあります。 

主な原因は、甘草あるいはその主成分であるグリチルリチンを含む 医薬品の服用です。甘草やグリチルリチンは、漢方薬、かぜ薬、胃腸 薬、肝臓の病気の医薬品などに含まれています。 

 

 

漢方薬に含まれている甘草の1日量はほとんどが3g以下なので問題はありませんが、芍薬甘草湯は1日量に6g含まれており頓服が原則です。

特に、ステロイド剤・利尿薬と併用している場合には、低カリウム血症になりやすいので注意しましょう。

 

漢方薬を飲む時間に決まりはありますか?

 

日本の漢方製剤は、空腹時(食前:食事の30分前 食間:食後2時間後)に服用するのが良いとされています。

 

中医学では、定時服用の他、駆虫薬・瀉下薬は空腹時、補益薬は食前服用などが良いとされています。

 

日本で使用されているエキス剤はお湯に溶いて服用すると良いとされていますが、むかつきが酷い場合などは水で普通に飲んでもかまいません。

中医学では、湯剤は一般には熱証に寒涼薬を用いるときには(冷服)し、寒証に温熱薬を使用するときには(温服)が良いとされています。

 

漢方薬が得意な病気は何ですか?また適さない病気はありますか?

 

漢方医学は、病気を治すのではなく、個人に目を向けて「ヒトを治療する」診療方法です。

検査値には現れない体の不調も、体内の気・血・水・臓腑の機能を漢方薬で調整することで治療することができます。

 

生活習慣病・アレルギー・虚弱体質・などの体質的なもの、老化に伴うもの、女性特有の病気(月経困難、月経痛、帯下病など)、不妊症など、一般的な慢性疾患は、漢方が得意とする分野です。

 

漢方治療の向いている病気
 ・胃腸機能障害に伴う諸症状 腹痛・下痢・便秘など
 ・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎・喘息・花粉症・蕁麻疹など)

 ・皮膚病(ニキビ・慢性蕁麻疹・尋常性乾癬など)
 ・不妊症 習慣性流産などの産科疾患
 ・月経不順・帯下病・月経痛などの婦人科疾患
 ・心身症・自律神経障害・神経症などの軽度な精神疾患

 ・頭痛・めまい・しびれなどの神経障害
 ・老化にともなう症状
 ・生活習慣病
 ・虚弱体質
 ・他の疾患に伴う体の不調や体力低下

 

ただし外科的処置の必要なもの、抗生物質治療が必要な感染症、緊急処置が必要な場合には漢方薬は適しません。


漢方治療に向いていない病気
 ・がんや腫瘍など手術が適切な病気 ただし、術後の体力回復や全身機能の回復、免疫力アップには漢方は役立ちます。
 ・ 抗生物質が必要な感染症
 ・緊急処置が必要な場合(心筋梗塞・脳梗塞の急性期など)

 
 
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 その際、生活習慣や食事、メンタルケアなど、現在の症状を和らげるためにために適切だと思われるセルフケア方法もご提案します。

 

注意事項

  1. 漢方の診断は本来、問診の他、望診・切診(脈を見る)・聞診を行い総合的に弁証するものですので、問診だけでは「証」の特定が難しい場合がございます
  2. より正確な弁証をするため、詳しくお聞きする場合がございます
  3. 問診により、個人を特定するような情報が第三者に漏れ悪用されることはございません。(名前・住所などの情報は必要ありません)
  4. 漢方・サプリメントの服用よりも、「治療」が必要だと判断した場合には医師の診察をお勧めすることがあります
  5. 現在服用中の薬・治療中の疾患がある場合には必ずお伝えください